九州電力苓北火力発電所


国道383号線、苓北町志岐から天草市天草町へ走ると直ぐに、左側に天草には不釣り合いな広大な敷地に、巨大な工場みたいな建造物が見えてくる。
九州電力苓北火力発電所だ。
この発電所は石炭火力で、1号機、2号機があるが、総出力は144万キロワット。
144万キロワットと言っても、ピンとこないが、熊本県全体の最大需要が約240万弱なので、ここだけで熊本県全体の約60%を発電していることになる。
もちろん、低需要期はもっと高い割合で占める。

1号機は平成7年12月、2号機は平成15年6月に運転を始めている。
発電所建設が計画された段階から、町民を二分する激しい反対運動が展開された。
発電所が建設されると、莫大な交付金が入り、町は潤うことになるが、その見返りとして公害が発生し、町民の健康が蝕まれるというのが、反対の主な理由であったようだ。

余談だが、天草各地の市町が合併する運びになった時、交付金収入で懐が豊かであった苓北町は、貧乏市町と一緒になれるかとばかりに、ただ一町、合併に加わらなかった。

 原子力ほどではないが、自然が最大の売り物の天草にとって、このようなガリバー施設に、多くの町民が拒絶反応を示すのは当然のことであろう。
さて、現在では、この反対運動が嘘のように、静かな町になっているが、この反対運動で命を落とした当時のリーダーの顕彰碑が、発電所が見渡せる道路の反対側に建設されている。
また、この発電所建設を機に始まった、天草環境会議が現在も続けられている。

  
 
矢筈岳(天草市本町)より眺める発電所 
 
この様に鉄塔が延々九州中央部まで伸びている
 
 それにしても、なぜ需要の中心から遠く隔てた天草に、発電所を造る必要があったのだろうかと考える。
 遠いということは、写真のように延々と、送電線を建設しなければならず、この建設費と維持費だけでも莫大な費用が掛かる。

 思うに、3.11の東日本大地震により事故を起こした、東京電力福島第一原子力発電所。また新潟県の柏崎刈羽原子力発電所も、需要地とは全く違うところに建設されている。
 原子力発電所と火力発電所と同じくは考えたくないが、なにか共通点が あるのだろうか。